第162話彼は彼女を守った

ミランダが骨折していないかもう一度確かめようとしたその時、小さな男の子がようやく動いた。

スローモーションのようにゆっくりと、固く握りしめられていた右手が持ち上がる。

そして、ミランダの目の前で、その手は静かに開かれた。

柔らかい手のひらの上に乗っていたのは、一匹の小さなカタツムリだった。

転がった時に潰されてしまったのか、殻は少しひび割れていたが、それでもなお、しぶとく触角を揺らしている。

「ミランダ!」

切羽詰まった足音が近づいてきた。

カスティージョは馬を繋ぐことすら忘れ、飛び降りて駆け寄ってきた。

地面に座り込んで泥だらけになっているミランダの姿を見るなり、彼女の目は瞬時に赤く染...

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